香りを楽しむための蒸留酒と言っても過言ではない『メスカル』。その繊細でスモーキーな香りは、これまで数多くのお酒好き達を魅了してきました。ウイスキーやバーボンといったお酒を好む方であれば、メスカルはきっとお気に召すはず。そのルーツやテキーラとの関係性について紐解いていきましょう。
メスカルが “テキーラの母” と呼ばれる所以とは。
メスカルとは、メキシコ原産の多肉植物『アガベ(竜舌蘭)』を原材料として作られる、香り高い蒸留酒のこと。ボタニカルでスモーキーな風味と味わいが魅力で、熱狂的なファンを増やし続けています。メスカルという呼び名は、メキシコ最大の先住民が使用する言語・ナワトル語の『metl:メトル(マゲイ=アガベ)』と『fixcalli:イスカリ(加熱した)』に由来すると言われています。
同じくアガベを原材料とする蒸留酒にテキーラがありますが、かつてはメキシコのテキーラ地区で作られたメスカルを『テキーラ』と呼んでいたのだそう。
つまり、テキーラはメスカルの一種だったわけです。(現在テキーラは原産地呼称で保護されたメキシコの指定産地5州で育成したブルーアガベを使用するなど、厳格な基準を設けて造られています)その名を世界中に知らしめたテキーラを産んだのは、メスカルと言えるでしょう。
伝統が生む、唯一無二のスモーキーフレーバー
メスカルの魅力を語るにおいて欠かせないのが、その特徴的な香り。 原材料であるアガベの球茎部『ピニャ』を地下ピットの中で、焼いた石やアガベを搾った後に残る繊維(バガス)、薪と共に蒸し焼きにします。このような他のお酒には見られない伝統的かつ個性的な製法によって、特有のスモーキーフレーバーが生まれるのです。 その後の工程も機械に頼らないものが多く、メスカルは多くの手間と時間をかけて造られています。
また、テキーラが『ブルーアガベ』のみから作られるのに対し、メスカルは多種多様なアガベを使用することが可能で、風味や味の表現のバラエティーが豊富なのが魅力です。蒸留所ごとの個性が光るメスカル。自分好みの味わいを追い求めて飲み比べてみるのも楽しみ方のひとつです。
力強い香りを感じながら、メスカルを嗜む。
“香り” がキーとなる蒸留酒、メスカル。私たちにとっては馴染みの少ない、伝統的な製法を守って作られるメスカルはまだ知らぬ香りの冒険へと誘ってくれるでしょう。
その冒険の第一歩にふさわしい逸品をご紹介します。力強いスモーキーな香りと深みのある味わいを同時に堪能できるのが、『クラセアスール・メスカル・ドゥランゴ』です。
クラセアスール・メスカル・ドゥランゴ
1000年前から伝わる製法にこだわり、個性、卓越、美しさ、そのすべてを1本に集約したメスカル。メキシコ北部のドゥランゴ州で自生する野生のセニソ・アガベを原料に使用しており、力強いスモーキーな香りと地域特有のミネラルが豊富な土壌と天然水により生み出される深みのある味わいが特徴です。
漆黒な色味とマットな質感が特徴的なデキャンタは、メキシコのマサワに伝わる美しい黒い粘土の工芸品からインスピレーションを得ており、華やかな色合いが目を引くキャップにも、ウイチョル族の伝統工芸であるビーズアートを施しています。
伝統とメキシコの大地を感じながら芳醇な香りを確かめ、ストレートでゆっくり嗜んでいただきたい珠玉のメスカル。この一杯はきっと、あなたの探究心を刺激してくれることでしょう。
クラセアスール・メスカル・ドゥランゴ