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蒸留酒の新たなトレンド。アガベ由来の『メスカル』

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お酒が好きな人はもちろん、トレンドに敏感な人々の中で話題を集めているのが『メスカル』という名の蒸留酒。メキシコ原産の多肉植物『アガベ』を原材料としたメスカルは、日本国内に専門のメスカルバーが登場するなど、着実にその人気を大きなものにしています。


「糖質がほぼゼロ」「二日酔いしにくい」というヘルシーな側面も魅力ですが、クラフト感あふれる製法や蒸留所ごとの独自性に魅せられ、夢中になる人が後を絶ちません。
トレンドセッターからも絶大な人気を集め始めているメスカルに、ぜひご注目ください。


蒸留酒『メスカル』をおすすめしたい、2つの理由

理由1. アガベ由来のボタニカルでスモーキーな香り

メスカルの魅力のひとつが、類を見ない独特な風味です。


テキーラとメスカルはどちらもアガベを原料にした蒸留酒ですが、その風味は大きく異ります。メスカルは製造の過程で、地下ピットで岩石や火山岩と共にアガベを蒸し焼きにすることにより、スモーキーな香りが備わる。アガベ由来のボタニカルさとスモーキーさが相まって、他のお酒にはない味と香りが誕生するのです。

テキーラと異なり、多種多様なアガベを使用することができるため、そのバラエティの豊かさも特徴のひとつ。スモークしたベーコンやフレッシュウッド、ハーブなどを思わせる様々な香りが複雑に絡み合う、そんなユニークな風味を楽しむ事ができます。


クラセアスール・メスカル・ゲレロ



理由2. 伝統を守るクラフトマンシップ


そしてもうひとつ、注目すべきはその製法。
市場に流通しているメスカルの多くは『パレンケ』と呼ばれる小屋でトラディショナルな製法を守りながら造られています。機械に頼る事はほとんどなく、多くの場合職人による手作業で製造が行われています。


ブルーアガベ




例えば、蒸し焼きにした後のアガベからジュースを搾汁する際は、石臼を馬や人力で引いて回転させる蒸留所も多くあります。気が遠くなるような手間暇がかけられたメスカルは、クラフトマンシップが活きる逸品と言えるでしょう。

 トレンドワードは『クラフト』と『メキシカンスピリッツ』


メスカルを取り巻くトレンドについて語るには、『メキシカンスピリッツ』についても触れておくべきでしょう。

メスカルはメキシコの9州※(オアハカ、ドゥランゴ、サカテカス、ゲレロ、サン・ルイス・ポトシ、タマウリパス、グアナファト、ミチョアカン、プエブラ)で造られたもののみが、その名を冠することができる『原産地呼称』で保護されています。※2023年1月現在

人気とその地位を原産地呼称の保護により高みに押し上げたテキーラやメスカルに続けと、メキシカンスピリッツ全体に、原産地呼称で保護しようという動きが高まっているのをご存知でしょうか。

例えば、キジカクシ科の多肉植物『ダシリリオン』を原材料にした蒸留酒の『ソトル(Sotol)』。伝統的な製法で造られ、その自然な甘みにファンが多いお酒です。この『ソトル』はチワワ州、ドゥランゴ州、コアウイラ州原産のダシリリオン原材料にしたものにおいて原産地呼称を取得しています。

また、ソノラ州原産の蒸留酒『バカノラ』も原産地呼称を取得しています。ソノラ州内の山岳地で生育するエスパディン系のアガベパシフィカのみが使用され、先祖から代々伝わる製法を守っています。

日本でもクラフトビールやナチュラルワインを始めとした、小規模な醸造・蒸留所に注目が集まっています。『ソトル』や『バカノラ』といったクラフト感が特徴のメキシカンスピリッツを街のバーで見かける日はそう遠くないでしょう。

 

はじめてのメスカルに、『クラセアスール・メスカル・ゲレロ』を


作り手や原材料の産地によって、それぞれに違った味や香りが表現される、メスカル。まるでワインのような楽しみ方で嗜むことができるのも、魅力のひとつです。


クラセアスール・メスカル・ゲレロ




はじめて飲むメスカルとしておすすめしたいのが、『クラセアスール・メスカル・ゲレロ』です。グレープフルーツスキン、フレッシュウッド、ローズマリーのような深みある香りに、フレッシュウッド、海藻、レモンジュース、ペッパー、ほのかなタバコといった唯一無二の味わいを兼備した一本。伝統性を表現しているデキャンタと、繊細な職人技の光るメキシコの漆器のキャップも、注目のポイントです。





クラセアスール・メスカル・ゲレロ







ブームから、文化へ

特色的な味わいや香りといった部分だけでなく、クラフトマンシップの点でも大きな魅力を持ち合わせるメスカル。現在はひとつのブームとして名を広めているメスカルが、ひとつのメキシコ文化として認識される日も、きっと近いはずです。

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