テキーラ度数 Background

テキーラのアルコール度数と熟成がもたらす香りの深み | ショットだけでは語れない。お洒落な飲み方も

テキーラ度数
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テキーラは「強いお酒」と一言で片づけるにはもったいないくらい魅力の多いお酒です。

今回はアルコール度数やカロリー、テキーラの原料や製造工程について皆さまに知っていただき、テキーラのお勧めしたい飲み方まで、クラセアスールのテキーラを例にご紹介していきます。

 

一般的なテキーラの度数とは?

「ショットで一気に飲む」というイメージからアルコール度数が突出して強いと思われがちですが、テキーラのアルコール度数は法律上おおむね35〜55%、市販ボトルの主流は40%前後。

つまり、ウイスキーやブランデーとほぼ同等の標準的な度数です。飲み方次第で印象は大きく変わり、ストレートはもちろん、ロックやソーダ割りにすれば香りのレイヤーが開き、食中酒としても扱いやすくなります。

主要なお酒のアルコール度数の目安

種類

一般的な度数の目安

テキーラ

約40%(一般的な商品度数)

※法定規格は35–55%。メキシコのテキーラ規制委員会(CRT)が管理する NOMで規定

ウイスキー

約40–60%

ブランデー

約40–50%

ジン/ラム/ウォッカ

約40–50%

焼酎

約20–25%

日本酒

約13–15%

ワイン

約9–15%

ビール

約5%

テキーラを選ぶポイントと種類

テキーラの原料ブルーアガベ

ブルーアガベ

 

アガベは、刺々しい様相が竜の舌に例えられ“竜舌蘭”とも呼ばれる多肉植物。観葉植物としても身近な存在です。200種類以上あると言われるアガベですが、そのうちテキーラの原料として使用できるのは原産地呼称で保護されたメキシコの指定産地5州で育成した『ブルーアガベ』(アガベアスールと呼ぶこともある)のみです。

その栽培方法も独特で、3〜5年目の母株から株分けした1.5kg〜3kg程度の重量の子株(イフエロ)を収穫し、雨季が始まる前の4月から5月に畑へ移植します。成熟サイクルは平均5〜8年ほどと言われています。

 

テキーラの原料『ブルーアガベ』については、以下の記事も併せてご覧ください。
神秘に包まれたテキーラの原料『ブルーアガベ』とは


 

『ミクストテキーラ』と『100%アガベテキーラ』

100%アガベ・テキーラ

 

ブルーアガベの基本を押さえたところで、テキーラの分類に触れていきます。テキーラは発酵に用いる糖分のうち少なくとも51%をブルーアガベ由来にすることが求められます。裏を返せば、残り最大49%はサトウキビの糖蜜(モラセス)やショ糖・ブドウ糖、トウモロコシなど、別の天然由来の糖源を使っても規格上、使用することができます。こうしたタイプは公式名称ではないものの、「ミクスト(混合)テキーラ」と呼ばれる事もあります。

一方、「100%アガベ・テキーラ」は名前の通り糖源のすべてをアガベに限定したものです。ラベルには「100% de agave」や「100% de agave azul」等の表示が入り、メキシコのテキーラ規制委員会(CRT)が管理するNOM(メキシコ公式規格)に適合することで、品質・安全性・真正性が担保されています。ブルーアガベのみで造られる希少性から、プレミアムテキーラと呼ばれています。

 

 

熟成期間で分けるテキーラの種類

テキーラは主に樽熟成の期間により5段階のタイプに分けられ、この基準はメキシコの公式規格であるNOM-006-SCFI-2012で定められています。

タイプ

樽熟成期間

樽に関する規定

プラタ
Plata

熟成なし、または60日未満

無し

透明の規定あり。


※無色である必要はないが、色がついていないものが多い。

ホーベン
Joven

プラタにレポサド以上をブレンドしたもの

無し

ゴールド

レポサド
Reposado

2ヶ月以上、1年未満

オーク樽

(容量規定は無し)

ゴールド

アニェホ(アネホ)
Añejo

1年以上、3年未満

600L以下のオーク樽

アンバー

エクストラアニェホ
Extra Añejo

3年以上

600L以下のオーク樽

ダークアンバー


クラセアスールでは前述した5つのタイプ全てを手掛けており、飲み比べにおすすめです。今回はそれぞれの個性についてもご紹介します。

 

 

クラセアスール・テキーラ・プラタ

クラセアスール・テキーラ・プラタ

 

樽に寝かせないため、みずみずしくキレのある飲み口。
澄んだ輝きの液色に、オレンジやレモン、ミントの清々しい香りが立ち、まろやかな口当たりの奥にほのかなバニラがのぞきます。

 

クラセアスール・テキーラ・プラタ

 





クラセアスール・テキーラ・ブランコ・アウマード

クラセアスール・テキーラ・ブランコ・アウマード

 

メキシコ・ハリスコ州ロス・アルトス地方で育まれたブルーアガベを伝統的な「ピットオーブン(地中かまど)」にて薪と火山岩でじっくりと蒸し上げることで、深みのあるスモーキーな香りと味わいを生み出しました。このテキーラは火とアガベの対話を描いた“炎のバラッド”。繊細なスモークの香りがアガベの甘さを引き立て、ミネラル感ある口当たりからシルキーで長い余韻へと続きます。

 

クラセアスール・テキーラ・ブランコ・アウマード






クラセアスール・テキーラ・ゴールド

クラセアスール・テキーラ・ゴールド

 

クラセアスール・プラタをベースに、フレンチオーク熟成のレポサドと、アメリカンウイスキー樽に3年以上熟成させた特別なエクストラアニェホをブレンド。

 

クラセアスール・テキーラ・ゴールド





 

クラセアスール・テキーラ・レポサド

クラセアスール・テキーラ・レポサド


アメリカンウイスキー樽で約8カ月熟成。ヘーゼルナッツやバニラのニュアンスが立ち、口当たりは驚くほどスムーズ。
伝統製法でじっくり加熱したブルーアガベの旨味が核となり、液色はゴールドに艶めきます。アガベハニーに、ほのかなシナモンやバナナの香り。


クラセアスール・テキーラ・レポサド




 

 

クラセアスール・テキーラ・アニェホ

クラセアスール・テキーラ・アニェホ


スパイスとウッディな香りに、ほのかな甘みとまろやかな口当たりが調和。

ボトルは伝統工芸に先住民由来の文様を配し、テキーラが生まれる物語をデザインで表現しています。アートと歴史を感じながら、25か月熟成の深い味わいが楽しめる一本です。

 

クラセアスール・テキーラ・アニェホ

 


 

 

クラセアスール・テキーラ・ウルトラ

クラセアスール・テキーラ・ウルトラ

 

植え付けからボトリングまで約14年。妥協なき造りののち、蒸留後はアメリカンウイスキー樽熟成、仕上げにシェリー樽フィニッシュ。
銅色を帯びたダークアンバーの艶と、揺るぎない奥行きは、まさにブランド最上位の風格です。香り・味わいはシェリーやプルーンの甘みに、キャラメルクリームのコクが重なるリッチな表情。

 

クラセアスール・テキーラ・ウルトラ

 


テキーラの糖質とカロリー

テキーラの口当たりが軽やかと言われるのは、蒸留酒ゆえに糖質がほぼ0g相当だから。発酵後に蒸留することで糖分はアルコールや香味成分へと変わり、口当たりはピュアに、後味はクリアに仕上がります。一方でカロリーはアルコール(7kcal/1g)由来のため、度数と飲む量に比例します。たとえば40%のテキーラなら、30mlでおおよそ65〜70kcalが目安です。つまり、どれを飲むか以上に、どう飲むか・どれだけ飲むかが糖質とカロリーを左右します。


他のお酒とのテキーラの糖質とカロリーの比較表

種類(100mlあたり)

糖質

カロリー

テキーラ

0 g

約223 kcal

ウイスキー

0 g

約234 kcal

ワイン(赤)

約1.5 g

約68 kcal

日本酒(本醸造酒)

約4.5 g

約106 kcal

ビール(淡色)

約3.1 g

約39 kcal

 

注:蒸留酒は一般に糖質0g相当。カロリーは度数(アルコール量)に比例し、同等度数の蒸留酒同士ではほぼ同水準になります。日本酒・ワイン・ビールは未蒸留ゆえ糖質を含みます。
出典例:文部科学省「日本食品標準成分表(八訂・増補2023)」

 

低糖質で身体に優しい蒸留酒『100%アガベテキーラ』気になるカロリーは? 

100%アガベは副原料由来の甘味を足さないため、雑味のない自然な甘さが魅力。低糖質のまま満足感を得たいなら、ストレートやロック、そしてテキーラソーダ(無糖ソーダ+ライム)がおすすめです。逆に、トニックウォーターや砂糖入りシロップ、果汁たっぷりのカクテルは糖質が上振れしがち。マルガリータを楽しむなら、甘味を控えたスタイルにアレンジするなど、甘味の設計を意識するとバランスよく楽しめます。

 


テキーラの製造過程

テキーラの製造過程

 

生命力あふれるアガベをテキーラへと変化させる過程は、精緻な手作業の積み重ねです。
以下では、クラセアスールが作るテキーラの製造工程を分かり易くご紹介します。


  1. 栽培
    ブルーアガベはメキシコ・ハリスコ州ロス・アルトスの赤土の高地で育成。子株(イフエロ)を植え付け、平均5〜8年かけて成熟を待ちます(地域や条件により5〜6年〜10年以上の幅)。

  2. 収穫
     熟練のヒマドールがコア(収穫用の刃)で葉を落とし、球茎部ピニャを切り出します。

  3. 加熱・糖化
     ピニャは石造りのオーブンでじっくり加熱。でんぷんを糖に変えたのち、粉砕して糖分を引き出します。

  4. 発行と蒸留
    独自の「アロマとテイスト」を与えるために、自社開発の酵母を使用して発酵を行い、銅製の蒸留器で2回蒸留。

  5. 熟成
    熟成無しはプラタとしてボトリング。より複雑さを求める場合はオーク等の樽で数か月〜数年熟成し、レポサド/アニェホ/エクストラアニェホへ展開。

 

テキーラの飲み方

「テキーラ = ショット」はもう昔話。クラセアスールでは、ストレート/ロック/ソーダ割りの三本柱で香りを味わう飲み方を提案しています。特に100%アガベは素材感が研ぎ澄まされているため、グラス選びや温度、テイスティング手順で印象が大きく変わります。


テキーラの飲み方


基本は香りを味わう「ストレート」

最高峰のアカベ100%テキーラを飲むなら、まずはストレートで試してみましょう。ストレートで飲むときのポイントは以下の通り。

温度:基本的にストレートは常温で飲みます。

グラス:おすすめは少し丸みを帯びたチューリップ型のグラスが最適。このグラスなら、色・香り・風味を存分に味わうことができます。



テイスティング手順:テキーラ・マエストロのフェリー・ケイデンさんの伝授するテイスティングは「視覚」「嗅覚」「味覚」の三つで行います。まず、目の高さにグラスを持ち色や透明度、液体の輝きなどを観察します。そして、ゆっくりと鼻をグラスを近づけ香りを楽しみます。最後に、少量のテキーラを口に含み、舌で5秒ほど転がし、甘味、酸味、塩味、苦味、旨味のバランスを観察します。

 

氷と時間でニュアンスをつくる「ロック」

おすすめは、大きめの氷をひとつ。角が取れて口当たりがやわらぎ、温度上昇とともに香りがひらく時間軸を楽しめます。レポサド以上の樽香は、ロックでより穏やかになります。

軽やかに長く楽しむ「ソーダ割り(テキーラハイボール)」

香りを残しつつ口当たりを軽快にする定番。割るほど度数は下がるため、食中や気軽な一杯に最適です。柑橘ピールをひとひねりすれば、香りの余韻がすっと伸びます。

テキーラ・マエストロに聞く テキーラの味わいを引き出す飲み方

 

テキーラのフードペアリング

テキーラのフードペアリング

 

飲み方について知っていただいたあとは、フードペアリングについてご紹介します。
選び方の基本は、熟成タイプごとの強度に合わせると料理との相性が決めやすくなります。

 

  • プラタ / ブランコ
    柑橘を添えた海鮮料理、寿司/刺身、、フルーツ、フレッシュチーズと好相性。

  • ゴールド
    脂の乗ったシーフード(マグロ、サーモン、たこ、ロブスター、海老、ムール貝、その他貝類)にバターとイエローレモンを添えた料理

  • レポサド
    グリルした肉料理や野菜、ハモン・セラーノとメロン、ダークチョコレート

  • アニェホ(アネホ)
    ポークまたはダックのフルーツソース添え、土の風味やクリーミーなチーズ、チョコレートを使ったデザート

 


クラセアスールのテキーラは、味わいだけでなく、所有する歓びまで体験できます。職人の手仕事が光る陶器デキャンタに刻まれるボトルの記憶を、届ける最高のブランドを是非お楽しみください。

 

 

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