同じテキーラでも、「シルバー(=ブランコ/プラタ)」と「ゴールド(=ホーベン/オロ)」では、香りの立ち上がりも余韻の長さもまったく別物。シルバーは無熟成〜短期熟成由来のみずみずしさとアガベのピュアな輪郭、ゴールドはレポサド以上をブレンドすることで生まれるリッチで多層的な味わいが魅力です。選ぶ基準はシンプル。フレッシュな表情を楽しむならシルバー、厚みと長い余韻を求めるならゴールド。今回はクラセアスールのテキーラを元に、その違いと選び方をご紹介いたします。
クラセアスール・テキーラ・ゴールド
まず“定義”を整理:ゴールド or シルバー
テキーラは熟成期間で大きくタイプが分かれます。シルバー(=ブランコ/プラタ)は熟成なし、もしくは60日未満のものですが、一方でゴールド(=ホーベン/オロ)はプラタにレポサド以上をブレンドしたものです。呼称は違っても、製法上の骨子はこの基準で判断できます。
シルバー(ブランコ/プラタ)とは
熟成:無熟成〜60日未満
樽熟成を行わないため、新鮮で爽快な味わいを楽しむことができるのが特徴です。原料ブルーアガベの印象がストレートに立ち上がります。
香味の傾向:アガベのニュアンスがクリアに
クラセアスール・プラタは新鮮でキレのある爽快な味わいが特徴、熟練の職人の手により造り出されたクラセアスールプラタは、柔らかさの中に甘さがあり五感に訴えかける魅力的な味わいです。
用途:カクテルにも自在
クリアな液色でカクテルに仕上げた際も美しい輝きを放ちます。ハイボールなどのシンプルな飲み方でも香りのレイヤーがきれいに開くのも特徴。
ゴールド(ホーベン/オロ)とは
スタイル:プラタに熟成原酒をブレンド
プラタに熟成原酒をブレンド。クラセアスール・ゴールドはプラタをベースに フレンチオークで熟成した「レポサド」と、アメリカン・ウィスキーカスクで 8年熟成させた後、シェリーカスクでフィニッシュした特別な「エクストラアニェホ」をブレンド。ブレンド設計そのものが多層感の源泉です。
香味の傾向:リッチ&多層、長い余韻
香りにはヴァニラや蜂蜜の甘やかさ、ドライフルーツのふくらみ、ほんのりとしたスパイスが現れ、口に含むと丸みのある質感と長い余韻が続きます。
用途:ストレートやロックに好適
氷でゆるやかに温度が変わるにつれて香りの層が順に開き、甘さ・コク・スパイスの表情がより立体的に感じられます。カクテルベースとしても使えますが、ゴールドの魅力はそのままのスタイルでこそ際立ちます。
タイプ |
樽熟成期間 |
樽に関する規定 |
色 |
プラタ |
熟成なし、または60日未満 |
無し |
透明の規定あり。
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ホーベン |
プラタにレポサド以上をブレンドしたもの |
無し |
ゴールド |
この基準はメキシコの公式規格であるNOM-006-SCFI-2012で定められています。
ゴールドとシルバー、どっちを選ぶ?目的別の“選択”
アガベのピュアさを知りたいならシルバー
最短熟成のプラタは、樽要素に左右されない分だけアガベの素顔が際立ちます。透明感のある外観、軽やかな口当たり、柑橘とハーブの清冽な香り—こうした輪郭の明瞭さは、食事と合わせても風味がにごりにくいのが利点。繊細な料理と合わせる食中酒として、まずはシルバーを試してみてください。
リッチで余韻が長い一杯を飲みたいならゴールド

ブレンドに由来する甘やかな風味。ドライフルーツ、ナッツ、スパイスのレイヤーが折り重なるのがゴールドの魅力。ストレートからロックとゆっくりと温度を下げていくと、アルコールの刺激が和らぎ、風味がよりマイルドとなり、長い余韻を堪能できます。単体での満足感が高く、大切な方への最高の贈り物としても活躍します。
「スシテキ」— 寿司 × テキーラのペアリング

「スシテキ」という言葉は、寿司(スシ)とテキーラ(テキ)を組み合わせた造語となります。 寿司の繊細な旨味と、テキーラが持つアガベ由来の香味の意外な組み合わせが、新定番として注目を浴びています。ここ数年、日本でも鮨店やイベントが主体となって寿司とテキーラのマリアージュを提案する動きがあり、体験の場が広がっています。
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シルバー(プラタ):寿司/刺身、柑橘を添えた海鮮、フルーツ、フレッシュチーズと好相性。白身や柑橘の香りを活かす構成で、清冽な余韻が料理を引き立てます。
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ゴールド(ホーベン):マグロやサーモン、たこ、ロブスター、海老、ムール貝など脂の乗ったシーフードに、バターとイエローレモンを添える構成がおすすめ。熟成由来の甘やかさやスパイス感が旨味の厚みに寄り添います。
ゴールド派へ:クラセアスール・テキーラ・ゴールド
「黄金に輝く夕焼け」の味わいとデザイン
昼と夜が溶け合う一瞬のように、フレッシュさと熟成感を一体化させたホーベン(Joven)スタイルのゴールドです。設計の核は、プラタ(シルバー)に、フレンチオーク樽で熟成させた特別なレポサド、シェリー樽でフィニッシュした長期熟成のエクストラアニェホをブレンド。これにより、アガベの透明感、樽熟由来の甘香ばしさ、ドライフルーツの深みが同居する多層の一杯に仕上がります。

デキャンタは、黄昏時、黄金に輝く夕焼けを暗闇が際立たせる魅力的な瞬間。クラセアスールゴールドはこの貴重な瞬間にインスパイアされました。つい手に取りたくなるデキャンタは、煌めくガラスに漆黑の陶器を合わせることで、メキシコのアガベが広がる大地に夕陽が沈む、息をのむほど美しい瞬間を表現しています。ガラスとセラミックを融合したアートピースのようなデカンタは、贈り物としても強い存在感を放ちます。
テイスティングノート
色:金色の輝きのあるアンバー
ボディ:ミディアム
香り:アガベシロップ、青リンゴ、オレンジの皮、新鮮なイチジク、 レーズン、アーモンドとクルミの軽いノート
味わい:トーストした木、イチジク、グリーンオリーブ、生姜、 ココア、ダークチョコレート
クラセアスール・テキーラ・ゴールド
クラセアスール・プラタをベースに、フレンチオーク熟成のレポサドと、アメリカンウイスキー樽に3年以上熟成させた特別なエクストラアニェホをブレンド。
クラセアスール・テキーラ・ゴールド
シルバー派へ:クラセアスール・テキーラ・プラタ
本来のアカベを体現したプラタの味わい
プラタは、クラセアスールの“素顔”を体現する一本。無熟成(〜60日未満)区分のブランコ/シルバーに相当し、樽要素に左右されないアガベのピュアな輪郭をそのままグラスに映します。香りはフレッシュ&ハーバル、オレンジピール、レモン、グリーンアップルが立ち上がり、口中ではアガベの風味と柑橘のニュアンスがすっと伸びていく—そんな“清冽さ”が語られています。

透明ガラスのデキャンタは、液体のクリスタルクリアな輝きを素直に映し出す佇まい。クラセアスールを象徴する職人仕事の造形美はそのままに、“アガベの素顔”というコンセプトを視覚的にも体現しています。テイスティングの“最短ルート”としてのプラタを、視覚からも実感できる設計です。
テイスティングノート
色:クリアで輝きがある
ボディ:ライト〜ミディアム
香り:フレッシュなオレンジ、レモン、ミントの香り。ほのかにバニラ、グリーンアップル、グリーンティー
味わい:バニラ、メイヤーレモン、フレッシュミント、ほのかなグリーンガヴァ
クラセアスール・テキーラ・プラタ
樽に寝かせないため、みずみずしくキレのある飲み口。
澄んだ輝きの液色に、オレンジやレモン、ミントの清々しい香りが立ち、まろやかな口当たりの奥にほのかなバニラがのぞきます。
クラセアスール・テキーラ・プラタ
今日の一杯をクラセアスールで選ぶ
最後の一滴まで気持ちよく飲み切れるかは、その日の気分と食卓の景色で決まります。
要は、透明感か、多層感か。シルバーは「今日の料理を引き立てる清新な伴走者」、ゴールドは「グラス一杯で物語を完結させる主役」。どちらにも正解があり、どちらにも“クラセアスールらしさ”が息づいています。迷ったら、まずはシルバーでアガベの輪郭を確かめ、次にゴールドで熟成の奥行きを確かめる。その順番が、テキーラという世界を最短距離で立体化してくれるはずです。今夜の一杯が、あなたの食卓と時間に最も似合う一杯でありますように。
FAQ:よくある質問
Q1. 「シルバー」「ブランコ」「プラタ」は同じ意味?
A. いずれも無熟成〜60日未満の区分を指し示す呼称として用いられます。
Q2. 食中に合わせるなら、どちらが向いていますか?
A. 寿司・刺身などの繊細な海鮮にはシルバー(プラタ)、脂の乗ったシーフードにはゴールドが推奨されています。
Q3. 家でカクテルを作るなら?
A. プラタをベースに、ハイボールやマルガリータがおすすめ。シンプルで、プラタの柑橘やハーブの香りが映えます。
Q4. ボトル(デキャンタ)の違いは?
A. クラセアスール・テキーラ・プラタは透明ガラスのデキャンタが、液体そのものの輝きを際立たせます。クラセアスール・テキーラ・ゴールドは煌めくガラスに漆黑の陶器を合わせることで、メキシコのアガベが広がる大地に夕陽が沈む、息をのむほど美しい瞬間を表現しています。