林 生馬コラム Vol.002  <br/>「テキーラと音楽の関係」 Background

林 生馬コラム Vol.002
「テキーラと音楽の関係」

林 生馬コラム Vol.002  <br/>「テキーラと音楽の関係」
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音楽は、その土地の文化や人々の暮らしを映し出す存在です。
そしてメキシコを代表する蒸留酒・テキーラもまた、古くから音楽とともに親しまれ、多くのアーティストやミュージシャンに愛されてきました。

世界中で歌い継がれる名曲の中には、テキーラが登場するものも数多く存在します。その背景をたどることで、テキーラが単なるお酒ではなく、人々の喜びや人生の物語と深く結びついてきた文化であることが見えてきます。

今回は、日本テキーラ協会会長であり、長年テキーラ文化の普及に尽力されている林 生馬氏によるコラム第二回をお届けします。

テーマは「テキーラと音楽の関係」。
音楽史に刻まれた数々のエピソードを通して、テキーラが世界中の人々に愛されてきた理由を、ぜひお楽しみください。

 

テキーラと音楽の関係 

 


メキシコ音楽とテキーラ 

お酒のジャンルには、それぞれの歴史と文化がありますが、テキーラほど音楽と親しいジャンルはなかなかありません。ブルーノ・マーズはクラセアスールの大ファンとしても知られていますし、日本でもEXILEのメンバーの中にはテキーラマエストロ講座を受講されるほどのテキーラファンもいて、クラセアスールを大切な方へのギフトとされる方もいらっしゃいます。テキーラと音楽の関係は今に始まったことではありません。
メキシコ音楽、特にランチェラというジャンルに1,000曲以上の名曲を残したホセ・アルフレド・ヒメネス(Jose Alfredo Jimenez)。彼の歌詞には、これでもかというほどテキーラが登場します。ヒメネス自身も熱心なテキーラ愛好家でした。

ビング・クロスビーが広めた100%アガベテキーラ 

アメリカに初めて100%アガベテキーラとして紹介されたのは1955年のエラドゥーラでした。その輸入を手掛けたのは、伝説的な歌手ビング・クロスビー。メキシコ公演で味わったテキーラのおいしさが忘れられず、自ら会社を設立して輸入を始めました。こうして多くのミュージシャンが100%アガベテキーラの魅力に触れることになります。

世界的ヒット曲「テキーラ」

そして1958年、アメリカのバンド「ザ・チャンプス」が発表した「テキーラ」が世界的大ヒットとなります。ビルボードのシングルチャートで5週連続1位に輝き、♪チャチャチャチャ チャッチャッチャッ テキーラ!というフレーズを知らない人はいないという程の人気曲に。日本のラジオでもヘビーローテーションとなりました。これによりテキーラの存在が世界中に知れ渡ったのです。実はこの曲、偶然できました。ライブ中にボーカルが喉を休めるためのインターバル曲として生まれ、サックス奏者ダニー・フローレスが合間に叫んだ「テキーラ!」が観客に大受けし、そのまま名曲となりました。偶然B面に収録されたこの曲が世界中で愛されることになったのです。テキーラは本当に"持っている"お酒ですね。

テキーラサンライズとロックスターたち 

1972年には、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーがアメリカツアー中に愛飲したことで「テキーラサンライズ」が大ブームとなります。その流れの中で誕生したのが、イーグルスの名曲「テキーラサンライズ」です。ドン・ヘンリーは後年、「女性に話しかけるにはテキーラを一杯飲む勇気が必要だった」と振り返っています。

現代の音楽シーンへ受け継がれる文化

2026年、バッド・バニーはアルバム『Debi Tirar Mas Fotos』で、全編スペイン語作品として初めてグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞するという歴史的快挙を成し遂げました。私自身、当初は伝説的ミュージシャン、ウィリー・コロンの音楽を現代風に再解釈した存在という印象でした。しかし、グラミー賞受賞直後にウィリー・コロンが亡くなり、バッド・バニーが深い敬意を表するとともに、受賞パーティーでクラセアスール・ゴールドを楽しんでいる姿を見て、あらためてその魅力を感じました。ゴールドというところも実に良いですね。
テキーラは、時代や国境を越えて、数多くのミュージシャンとともに歩んできました。そして今もなお、音楽を愛する人々のそばにあり続けています。テキーラは、ミュージシャンにも、音楽好きにも深く愛されているのです。

執筆者プロフィール

林 生馬(はやし いくま)

日本テキーラ協会 会長

1968年東京生まれ。 カリフォルニア州立大学にて映画製作を学び、帰国後は20世紀フォックスをはじめとする映画スタジオで製作スタッフとして活動。
ショーン・コネリー、ジョージ・クルーニー、北野武監督ら多くの著名人とテキーラを酌み交わす中で、その奥深い魅力に惹かれ、テキーラ文化の探究を始める。
これまでに訪問したテキーラ蒸溜所は100カ所以上にのぼる。
帰国後、日本テキーラ協会を設立。
主宰する「テキーラマエストロ講座」は、多くのバーテンダーやテキーラ愛好家から高い支持を得ている。
また、ブリュッセル国際コンクールをはじめとする世界的な酒類コンペティションで審査員を務めるほか、東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)には2019年の初開催より実行委員として参画。
日本メスカル協会顧問も務める。
著書に『テキーラ大鑑』(廣済堂出版)。
メキシコ大使館をはじめ各地でセミナーを開催するほか、テレビ・新聞・雑誌など各種メディアへの出演・掲載実績も多数。

林 生馬

 

 

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