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アガベ由来のスピリッツ『メスカル』とは。『テキーラ』と似て非なる蒸留酒を紐解く

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近年、その名を耳にすることが多くなった『メスカル』。スモーキーな香りやクラフト感あふれる製法が注目を集め、テキーラと肩を並べるメキシカンスピリッツとして台頭しています。

メスカルとテキーラはいずれもアガベを原材料とする蒸留酒ですが、この2つは似ているようで異なる性質を持ったお酒です。奥深いメスカルとテキーラの世界を覗いてその違いを紐解いていきましょう。

メスカルとテキーラ。2つのお酒の違い

アガベから造られるお酒と聞くと、テキーラを思い浮かべる人も多いでしょう。古くはアガベを使用して造られるスピリッツを総称して『メスカル』と呼んでいたそうで、テキーラもかつては『テキーラ地方で造られるメスカル』でした。

ブルーアガベ



元々同じルーツを持った2つの蒸留酒ですが、現在では別の種類のお酒としてそれぞれの個性を発揮しています。例えばメスカルは様々な種類のアガベを原材料とする事ができますが、テキーラの原材料として使用できるアガベはブルーアガベの一種のみ。その他にもアガベの原産地や製法、風味など、それぞれ異なる特徴を持っています。

その他、2つのお酒の違いを表したものがこちら。

 

メスカル テキーラ
アガベの種類※ アガベの種類に指定なし ブルーアガベのみ
アガベの産地と蒸留・製造場所 ※1 メキシコの指定9州 (オアハカ、ドゥランゴ、サカテカス、ゲレーロ、サン・ルイス・ポトシ、タマウリパス、グアナファト、ミチョアカン、プエブラ) メキシコの指定5州 (ハリスコ、ナヤリット、ミチョアカン、グアナファト及び1977年に追加されたタマウリパス)
アガベの使用割合 ※1 原材料の100%をアガベとする

 原材料の51%以上をブルーアガベとする

製法の特徴 テキーラに比べ手作業の工程が多い。 『ピットオーブン』と呼ばれる、地面に竪穴を掘った昔ながらのオーブンで『ピニャ ※2』を加熱する製法が主流。製造の過程で香料などを加え、風味付けを行う場合もある。 メスカルに比べて、機械に頼る工程も多い。大量生産を行う蒸留所もある。 石・煉瓦製の釜またはステンレス製の圧力釜で『ピニャ※2』を蒸し上げて加熱する。
風味の特徴 テキーラに比べてスモーキー メスカルよりもアガベ本来の風味を感じる
メスカル テキーラ
アガベの種類※ アガベの種類に指定なし ブルーアガベのみ
アガベの産地と蒸留・製造場所 ※1 メキシコの指定9州 (オアハカ、ドゥランゴ、サカテカス、ゲレーロ、サン・ルイス・ポトシ、タマウリパス、グアナファト、ミチョアカン、プエブラ) メキシコの指定5州 (ハリスコ、ナヤリット、ミチョアカン、グアナファト及び1977年に追加されたタマウリパス)
アガベの使用割合 ※1 原材料の100%をアガベとする

&原材料の51%以上をブルーアガベとする

製法の特徴 テキーラに比べ手作業の工程が多い。 『ピットオーブン』と呼ばれる、地面に竪穴を掘った昔ながらのオーブンで『ピニャ ※2』を加熱する製法が主流。製造の過程で香料などを加え、風味付けを行う場合もある。 メスカルに比べて、機械に頼る工程も多い。大量生産を行う蒸留所もある。 石・煉瓦製の釜またはステンレス製の圧力釜で『ピニャ※2』を蒸し上げて加熱する。
風味の特徴 テキーラに比べてスモーキー メスカルよりもアガベ本来の風味を感じる


※1メキシコ公式規則に定められているもの
※2アガベから葉を削ぎ落とした球茎部のこと



比較してみると、メスカルのほうがテキーラに比べてよりクラフト感があるのが解るでしょう。

また、メスカルにはアガベの種類に指定が無いことや、小規模な蒸留所(パレンケと呼ぶことが多い)での製造が中心であるため、個性の幅が広いのも特徴です。

メスカルの製法についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事も併せてご覧ください。

伝統的で個性豊かな蒸留酒『メスカル』の製法を知る

風味付けで個性が際立つ『アボカド・コン』と『デスティラド・コン』

メスカルの製法において大きな特徴のひとつが風味付けです。

『アボカド・コン』は、風味を付けるために香料などを混ぜたメスカル。
マゲイワーム(芋虫のこと。グサノと呼ぶこともある。)、果物、バーブ、蜜、香料など、メキシコの保健省の規定に従った成分を使用し、香りを添加します。

『デスティラド・コン』という種類のメスカルは蒸留の際に風味付けを行います。鶏・七面鳥・ウサギなどの胸肉、果物、トウモロコシのひげなどを蒸留器内に吊るして香りを加えます。

様々な種類のアガベの使用を許され、さらに香りを加えることが出来るメスカルは、蒸留所ごとの個性を発揮しやすいお酒と言えるでしょう。

飲み比べて確かめるクラフトマンシップ

メスカルとテキーラの違いを知っていくと、実際に飲んで確かめたくなりますよね。

メキシコの職人たちの真心と魂のこもったアルテサナル・テキーラとメスカルを手掛けているクラセアスールなら、両方の特徴をしっかりと感じていただけるはず。

 

 

クラセアスール・メスカル・ドゥランゴ

クラセアスール・メスカル・ドゥランゴ

 

個性、卓越、美しさ、そのすべてを集約し、自然が生み出した力強い味わいを感じられる一本。メキシコ北部のドゥランゴ州で自生する野生のセニソ・アガベを原料に使用しており、力強いスモーキーな香りと地域特有のミネラルが豊富な土壌と天然水により生み出される深みのある味わいが特徴です。
シトラス、ハーブ、グリーンオリーブといった香りとピーナッツ、ブラウンシュガー、蜂蜜などの奥行きのある味わいをじっくりと確かめてみては。


クラセアスール・メスカル・ドゥランゴ







クラセアスール・テキーラ・レポサド

クラセアスール・テキーラ・レポサド



アメリカンウイスキーカスクで8カ月間寝かせることにより、熟成に由来するヘーゼルナッツやバニラを感じる独創的な味わいとスムーズな口当たりが特徴。伝統的なフェザーペイントがコバルトブルーで施された陶器のデキャンタは、ブランドの象徴となっています。
アガベハニー、バニラ、キャンディーなどの香りと、ヘーゼルナッツを思わせる香りを堪能してほしい1本です。

製法、香り、味わい、そのどれもが特徴的なメスカルとテキーラ。それぞれの魅力をぜひご自宅やバーでお楽しみください。



クラセアスール・テキーラ・レポサド

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