クラフトマンシップを感じる製法やラグジュアリーなスタイル、飲む前の香りや飲んだあとの余韻に魅了され、プレミアムテキーラのファンになった、という方も多いでしょう。その奥深さを知れば知るほど、様々な種類を飲み比べてみたくなるはず。
「高級テキーラ」でキーワード検索していると、「アニェホ」「レポサド」などのキーワードが目に留まるようになるはず。これらは主に樽熟成の期間によって分類されたテキーラのタイプを指すものです。
「知ると話したくなる」おすすめテキーラの種類、原料や熟成期間について、本記事で解説します。
原料から選ぶテキーラの種類
まず、テキーラの種類は原材料の割合によって、2種類に分けられます。
原材料の51%以上がブルーアガベ由来であればテキーラとして成立し、残りは糖蜜やショ糖、ブドウ糖、トウモロコシ由来など他糖の併用が認められます。このタイプは通称「ミクストテキーラ(混合)」と呼ばれています。
一方、100%アガベ・テキーラは原料糖のすべてをアガベに限定し、ラベルに「100% PURO DE AGAVE AZUL」等と記載。
メキシコのテキーラ規制委員会CRTとNOMの規格のもと製造・表示が管理され、品質と信頼性が担保されています。ブルーアガベのみで仕立てる贅沢さから“プレミアムテキーラ”と称されることも。
樽熟成の期間で分けるテキーラの『タイプ』
テキーラは主に樽熟成の期間により5段階のタイプに分けられ、この基準はメキシコの公式規格であるNOM-006-SCFI-2012で定められています。
熟成期間の他、アニェホ、エクストラアニェホのタイプには樽の容量にも規定があります。 樽のサイズが大きくなるほど樽と液体が触れ合う面積が少なくなり、熟成が進まない可能性があるため、このような規定が設けられているのです。
以下がタイプごとの基準を表にしたもの。
タイプ | 樽熟成期間 | 樽に関する規定 | 色 |
プラタ Plata ※ブランコ、シルバーと呼ぶこともある |
熟成なし、または60日未満 |
無し |
透明の規定あり。 ※無色である必要はないが、色がついていないものが多い。 |
ゴールド Gold |
プラタにレポサド以上をブレンドしたもの |
無し |
無し |
レポサド Reposado |
2ヶ月以上、1年未満 |
オーク樽 (容量規定は無し) |
無し |
アニェホ Añejo |
1年以上、3年未満 |
600L以下のオーク樽 |
無し |
エクストラアニェホ Extra Añejo ※ウルトラエイジドと呼ぶこともある |
3年以上 |
600L以下のオーク樽 |
無し |
タイプ | 樽熟成期間 | 樽に関する規定 | 色 |
プラタ ※ブランコ、シルバーと呼ぶこともある |
熟成なし、または60日未満 |
無し |
透明の規定あり。 ※無色である必要はないが、色がついていないものが多い。 |
ゴールド |
プラタにレポサド以上をブレンドしたもの |
無し |
無し |
レポサド |
2ヶ月以上、1年未満 |
オーク樽 (容量規定は無し) |
無し |
アニェホ |
1年以上、3年未満 |
600L以下のオーク樽 |
無し |
エクストラアニェホ ※ウルトラエイジドと呼ぶこともある |
3年以上 |
600L以下のオーク樽 |
無し |
ちなみに、1年以上熟成したテキーラであっても樽の容量が規定を満たしていない場合、タイプはアニェホではなくレポサドとなります。

樽熟成と聞くとウイスキーを思い浮かべる方も多いでしょう。
プレミアムウイスキーとの共通点も多い100%アガベテキーラは『視覚』『嗅覚』『味覚』を研ぎ澄ませて、じっくりと観察しながら楽しんでいただきたいお酒です。
テキーラとウイスキーの違いについては、こちらの記事をご覧ください。
熟成樽の違いがテキーラの個性を育む
先の表のとおりレポサド、アニェホ、エクストラアニェホはオーク材の樽で熟成を行うのですが、同じオーク材の樽でもその種類は幅広く、樽の違いがテキーラの個性に強く影響を及ぼします。

コニャックやシェリー樽、ワイン樽、高級なフレンチオーク樽などを使う場合もありますが、一般的にはバーボンやウイスキーの樽、アメリカンホワイトオークの新樽を使う事が多くあります。
補足すると『新樽』とは全くの新品の事を言うのではなく、同じ蒸留所で使い続ける限りは新樽と呼んでいます。それとは逆にまだ一度も熟成を行っていない新樽は『バージンバレル』と呼ばれ、こちらは大変貴重で高価なものです。
テキーラを樽詰めする前に樽の内側を焦がす(チャーリング)、または焼(トースト)と呼ばれる火入れを行います。この工程により、樽からはバニラのような香り成分が出ます。テキーラをテイスティングする際にバニラの香りを感じたら、この火入れによるものでしょう。
熟成の違いを楽しめる、クラセアスールのアルテサナル・テキーラ(プレミアムテキーラ)
テキーラのタイプについて知ると、やはりその違いを確かめたくなるもの。 クラセアスールでは前述した5つのタイプ全てを手掛けており、飲み比べにおすすめです。その個性豊かな顔ぶれをご紹介しましょう。
クラセアスール・テキーラ・プラタ

樽熟成を行わないため、新鮮でキレのある爽快な味わいを楽しめます。 クリアで輝きのある液色で、フレッシュなオレンジ、レモン、ミントのなどを感じさせる香りと、柔らかさの中にバニラのような甘さがあり、五感に訴えかける魅力的なテイスト。 柑橘を添えた海鮮料理、寿司/刺身、フルーツ、フレッシュチーズなどとの相性が◎。
クラセアスール・テキーラ・プラタ
クラセアスール・テキーラ・ブランコ・アウマード
メキシコ・ハリスコ州ロス・アルトス地方で育まれたブルーアガベを伝統的な「ピットオーブン(地中かまど)」にて薪と火山岩でじっくりと蒸し上げることで、深みのあるスモーキーな香りと味わいを生み出しました。このテキーラは火とアガベの対話を描いた“炎のバラッド”。繊細なスモークの香りがアガベの甘さを引き立て、ミネラル感ある口当たりからシルキーで長い余韻へと続きます。
クラセアスール・テキーラ・ブランコ・アウマード
クラセアスール・テキーラ・ゴールド

クラセアスール・プラタをベースに フレンチオークで熟成した「レポサド」と、アメリカン・ウイスキーカスクで8年熟成させた後にシェリーカスクでフィニッシュした特別な「エクストラアニェホ」をブレンド。
アガベシロップやオレンジの皮などの香りに、ココア、ダークチョコレートのような味わいが加わり、飲みやすさと芳醇で複雑な味わいや香りを絶妙に兼ね備えた珠玉の逸品です。 脂の乗ったシーフードにバター、レモンを添えた料理と合わせるのがおすすめ。
クラセアスール・テキーラ・ゴールド
クラセアスール・テキーラ・レポサド

アメリカンウイスキーカスクで8カ月間寝かせることにより、熟成に由来するヘーゼルナッツやバニラを感じる独創的な味わいとスムーズな口当たりが特徴。 伝統的な製法で、ゆっくりと加熱されたブルーアガベから造られるテキーラはゴールドと黄色に輝いています。
アガベハニーや、ほのかにシナモンやバナナを思わせる香りとヘーゼルナッツ、バニラのような味わいが特徴。グリルした肉料理や野菜の他、ダークチョコレートとの相性も良いひと品。
クラセアスール・テキーラ・レポサド
クラセアスール・テキーラ・アニェホ

伝統的製法で造られたテキーラをアメリカンウイスキーカスクで25ヶ月寝かせた、芸術品とも呼べる至高の一杯。
液色は銅の輝きがあるアンバー。シナモン、クローブ、焼いたヘーゼルナッツといったスパイシーでウッディな香りとほんのり甘くまろやかな味わいとシルキーな口当たりが魅力。 ポークまたはダックのフルーツソース添え、土の風味やクリーミーなチーズ、チョコレートを使ったデザートと共に、時間をかけて楽しみたいテキーラです。
クラセアスール・テキーラ・アニェホ
クラセアスール・テキーラ・ウルトラ

妥協のない味わいを生み出すため、ブルーアガベを植えてからボトリングするまで14年近くの歳月を要します。蒸留後はアメリカンウイスキーカスクで熟成した後、シェリーカスクフィニッシュで仕上げる事により、 銅の輝きがあるダークアンバーの液色と無類の深み、味わいを作り出しています。それはまさに「圧倒的な存在感を放つブランド最高峰の味わい」と言えるでしょう。
シェリー、プルーンの豊かな甘み、キャラメルクリームのようなコク深い味わいには、スモークした肉料理やビターチョコレートとの組み合わせがおすすめ。
ブルーアガベという同じ原材料を使いながらも、樽熟成という工程を経て異なる魅力を放つアルテサナル・テキーラたち。その香りや色、味わいの違いをぜひお楽しみください。
クラセアスール・テキーラ・ウルトラ